2019年秋ドラマ

【ミス・ジコチョー】1話のあらすじネタバレと感想!天ノが”失敗学”を追求する理由

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ドラマ「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」第1話が2019年10月18日(金)に放送されました。

「知りたいのは、真実だけ」

その眼差しは、ちょっと普通の人とは違うところを見つめていました。

だからこそ知りえる事実と、たどり着ける場所がある。

天才・天ノ教授は今日もマイペースで謎だらけの事故現場を見つめているのです。

ここでは、「ミス・ジコチョー」第1話のあらすじ(ネタバレ)と感想、視聴者の声を紹介していきます。

【ミス・ジコチョー】1話のあらすじ(ネタバレ)

台風の夜

それは、大きな台風の影響で雨と風が強い夜でした。

東國実化学・第一工場では巨大なプラントの中を駆け抜ける人影が___。

息を切らして階段を上がる彼のヘルメットには、水上幸四郎の名前がありました。

「どうだ?水上!」

指令室からの無線が耳に入っているはずなのに、彼の目は一点を見つめて応えることができません。

「水上、応答しろ!」

ずぶ濡れで息を飲む彼が見たそこには。

「何かあったのか?」

「…白い鳥が」

その瞬間、プラントが大爆発を起こし、工場の半分以上が吹き飛ぶ大惨事になったのです。

第一回 事故調査委員会

東國実化学の本社に於いて、事故調査委員会が招集されました。

高層ビルの役員フロアにしつらえられたその会議室の円卓には、貫禄のある男性たちが招集されていたのです。

「この度はご高名な先生方にお集まりいただきまして、本当に…」

東國実化学の社員が挨拶を始めると___。

『そういうの、いいから!』

その場にいないはずの女性の声が響き、社員ははっとして…。

「それでは皆様の自己紹介を…」

『時間の無駄です』

部屋の中にいた中で、一人だけ若い男性、野津田燈(堀井新太)がタブレットを手に取り「勘弁してくださいよ、先生!」と囁くと、また女性の声が返ってきました。

『ちょっと燈くん…見えない!そっち向けて!』

その席には“天ノ真奈子”のネームプレートが。

タブレットに映るテレビ通話の向こう側で。

天ノ真奈子(松雪泰子)本人は、どこか屋外でキャンプ用のチェアに座り、お茶のタンブラーを手に喋っていたのです。

『皆さん著名な方ばかりですもの、自己紹介なんて必要ないわ。』

一番の上座に座る男が画面の彼女に向けて話しかけました。

「天ノ教授、間もなく来られるようでしたらお待ちしておりますが」

『私のことはお気になさらず。どうぞ、進めて!』

進行役の社員が「事故の概略は、資料の通りです」と会議を始めました。

被害は、工場の40パーセントを焼失、周辺の企業にも損害を与えた、とのこと。

そして従業員一名が死亡と言う結果になったのだと読み上げました。

未だ爆発の原因は分かっておらず。

これが自然災害による不可避な事故であったのか、それとも従業員による人為的なミス、ヒューマンエラーなのか…。

野津田が立ち上がり「亡くなった方の無念を晴らすためにも、皆さん頑張りましょう!」と言ったのですが。

参加者の一人が「爆発事故と言うものは、手掛かりがほとんどない」と言い、画面の向こうで天ノが『でも、例外もある』と言ったのです。

今回の事故は、豪雨の中で発生しているので、手掛かりが燃え残っている可能性は十分にある、という主張です。

その参加者が、まるで天ノに揶揄するかの如く絡みました。

「海外で長くご活躍で、新型産業ロボットや自動車の自動運転技術で世界に名を知られる工学博士にこんなことを言うのは釈迦に説法でしょうが。あまりに都合の良い仮説は、かえって調査を混乱させるだけかと…」

『仮説じゃないですよ。目の前にある___事実です』

彼女がスマホのカメラを切り替えると、そこは事故現場の荒涼とした風景が映りました。

「燈君、亡くなった方の無念を晴らしたいなら、僧侶にでもなりなさい」

一切の偽りなく。
忖度なく。
見返り無し。
全てのしがらみとは無縁の第三者による真実の究明___それが事故調査委員会の使命なのです。

荒れ果てた現場で

天ノはヘルメットにゴーグル、そしてスコップを片手に吹き飛んだプラントの残骸の間を覗き込んだり掘り返したり。

助手の野津田はその後をついて回りましたが、徒労感半端ない作業です。

「手掛かりになりそうなものはとっくに警察の鑑識が採取してますよ」

彼女は会議が嫌いです。

「それに、“失敗”の匂いがする」

彼女は採取した布切れを鼻先で“すん!”と嗅いでいました。

製造課長の増渕邦男(升毅)は、天ノの名刺に興味を示しました。

彼は事故当時、指令室で水上に呼びかけていた人物です。

東京第一大学 工学部 システム工学科 教授、そして“失敗学”研究室…。

「ええ、あなた、最近失敗をしました?」

増渕はいきなり聞かれたことの意味を測りかねて「は?」と声を漏らしました。

「お気になさらないでください。私は助手の野津田と申します!」

天ノのフォローに回る野津田くんです。

彼女があらゆる工学に精通したうえで、最近のテーマとして失敗学を選んでいること、それが事故調査にも役立っていることを説明していました。

「事故の当時のこと詳しく教えて頂けますか?」

増渕は、警察にも会社にも話しているので、全て報告書にまとめてある、と言いましたが。

「ああ!あの報告書、全然面白くないのよね!ユーモアのかけらもない!」

顔をこわばらせた増渕の気配に野津田君がすかさず「報告書って、そういうものですよね!」と天ノを窘めますが、彼女は全く空気を読みません。

「増渕さん、今回は肩の力を抜いて面白おかしく話してください」

面白いか、面白くないか

増渕は、あの夜のことを時系列的に語り始めました。

午前2時、近辺に落雷、プラントが停電。

非常電源系に異常があり、タンクの冷却装置に電気が来ていないと判明。

停電中でも、プラントのタンク内では化学反応が進み、加熱すると爆発することが分かっていたので、一酸化炭素を注入して反応を止めようと試みたのですが、温度が下がらず。

その時点で水上が現場に走ったのです。

プランとの外観をチェックしていたはずの水上が急に黙り込み、呆然としたように呟いたのです。

「白い鳥…白い鳥がぶつかって、穴が…」

その直後、タンクが爆発し、あの大惨事につながったのです。

「すみません、やはり、面白おかしく話すことはできません」

項垂れる増渕に、天ノは「それ、面白い!」と微笑みました。

「先生、なんてことを!」

咎める野津田くんを気にする様子もなく。

「報告書には、白い鳥の事なんてどこにも書かれていませんでした!」

「省かれたんでしょう。ありえませんからね…鳥がぶつかってタンクに穴が開くなんて」

そして、増渕は亡くなった水上について「いろいろな失敗をするやつでした」と言うと、天ノはがぜん食らいつきました。

水上の“失敗”は、数値の読み間違いや作業手順のミスなどという軽微なものであったようですが。

「正直、今回は水上が一酸化炭素の注入手順を間違えたとしか思えない…」

天ノは増渕に、水上の業務記録の閲覧を求めましたが。

増渕は拒みました。

すると、天ノは驚くべきことを言い始めたのです。

「タコマ橋の悲劇、ご存じありませんか」

1940年、アメリカで作られた1600mのつり橋であるタコマ橋が開通後4ヶ月で崩落する大惨事が発生。

当然、専門家が調査を行いましたが、建設側は非協力的であったために調査は難航し、一年後に同じ構造の橋が崩落事故を起こすという最悪の結果を招いてしまった、という悲劇。

「もっと速やかに調査が進んでいたら、二度目の崩落は防げた、ということです」

天ノは増渕に対して畳みかけます。

「いつどこで同じような事故が起こるとも限らないそうなっては、後悔しても手遅れなんです」

増渕からゲットした業務日誌のページをめくっている天ノの隣で、野津田君が興奮気味に話しかけていました。

「あれ、本当だったんですね!過去の膨大な事故のデータを全部暗記してるって!」

「あるわけないでしょ、そんな都合のいい前例」

さらりと言われてぎょっとする野津田君。

タコマ橋の崩落は事実ですが、あらかじめ閉鎖されていたので犠牲者はゼロ。

そして第二の悲劇は起こっていなかった、というのです。

「ええええええええーーーーーー?!」

「そうでも言わなければ、これ貸してもらえないと思って!」

鳥を探す

東京第一大学の天ノ教授の研究室では、その日野津田君が白い鳥の調査に躍起になっていました。

「ウミネコ、コウノトリ、ライチョウ…」

その様子を観察しながら目を真歩くしていたのは天ノの秘書である辻留志保。その指はぱちぱちとそろばんをはじいていました。

もう一人の派手めなお姉さんは西峰郁美。

なにやら手元はチクチクと縫物をしているようです。

「ライチョウ、アヒル…は飛べないか…シラサギ…サギ…」

だまされた、と野津田君は二人に食ってかかりました。

日本最高峰の大学の研究室なのに、一人はロボットの衣装を縫ってて、もう一人はアナログの極みともいうべきそろばん!

「これが一番直感的なの」

志保は全く意に介する様子もありませんが。

野津田君は大きな憧れをもってこの研究室に入ってきたはずが。

やらされるのはジコチョー案件ばかりなうえに天ノはマイペースでワガママ。

「ジコチョーじゃなくてジコチュー」という不名誉な称号もあるのだとか。

だから人がいつかないのだと志保はいうのです。

研究室の財務管理をしている志保は、天ノが本気を出せば数億円出す企業がいくらでもいるのに、と嘆いています。

「天ノ先生って、なんでそんなにジコチョーにこだわるんですか?」

「趣味ね」

志保の反応にぎょっとする野津田君。

「あの子は、他人の失敗が大好物」

そうこうするうちに天ノが学生向けの講義を終えて研究室に戻ってきました。

今日の仕事の成果として、野津田君はあの現場の周辺を調べ、そこに野生の鳥が住みついているのは見つけましたが、それらは夜行性ではなかったのです。

そんな話をしているところに、分厚いファイルを手に志保が迫ってきました。

「新製品の契約書です。もう研究費貰っているから、“できません”ではすみませんよ」

彼女は秘書の立場でありながら、天ノが怯える程の押しの強さです。

志保は元・工学者だったのです。

「私のことはいいから、真奈子が脱線しないように見張っててね!」

鳥の調査のことはもう置いといて、今締め切りが迫ったものから手を付けろ、と言われた野津田君は「結局、鳥だけが真実を知ってるんだな…」と呟くと。

「それだ!」

と天ノが乗ってきました。

曰く、鳥類の翻訳機を作ろう、と言い出し、西峰がノリノリでその尻馬に乗っかったのです。

第二回 事故調査委員会

入院していた負傷者の意識が回復し、事故当時の証言が取れました。

「彼が現場に向かう水上君とすれ違った時に“俺のせいだ”と言った」というのです。

水上のミスがこの爆発の原因を作ったのか、とまとまりかけた時。

西峰から連絡があり、天ノが現場で採取した布の切れ端の正体が判明した、というのです。

それは“アオギリサービス”と言う名前の企業の作業服の燃えカスだったのです。

しかし、その会社は資材を扱っているとはいえ、東國実化学とは取引もなく、一見全く接点がないように見受けられるのです。

経営者の青切(マキタスポーツ)も迷惑そうにしていましたが。

東國実化学の隣の会社には機材を貸し出していた、とは話してくれました。

それも爆発事故で全損。

「大変ですね」

そう言った野津田に、青切は喰ってかかりました。

「他人事みたいに言うな!あんたたちが結論出さないからいつまでたっても保険が降りないじゃないか!」

その青切に対して、天ノが問いました。

「アナタ、最近どんな失敗をしました?」

「は?!」

面食らった青切の背後で金属がぶつかるような大きな音がしていました。

「おい、どうした?」

若い作業員が二人。

そしてその足元に転がった大きなボンベが一本…。

「タカシのやつがミスっちゃって」

「お前はいつもいつも足を引っ張りやがって!」

罵倒されている若い小柄な社員は懸命にあやまっていましたが。

「クソ忙しい時に!」

と切れる青切の様子に委縮し、背中を丸めて首を垂れていました。

転がった重たいボンベの体勢を立て直すのも人力で、思うようにいきません。

その倉庫の中には、沢山の種類の、沢山のボンベが並んでいます。

窓際には物干し竿がぶら下がっており、そして、社員たちが忙しそうに働いていました。

「バルブ、しっかり確認しておけよ!」

背後でそんな声も聞こえてきます。

天ノはその全てを、目を皿のようにしてその様子を見つめていました。

第三回 事故調査委員会、そして仮説

「ボンベ?」

「はい。仮説ですが。タンクに穴をあけたのは、アオギリサービスの産業用ガスボンベです」

失笑のような空気が流れる会議室。

「ボンベが風に乗って飛ばされてきたと?」

「いいえ、自分で飛んできたんです」

ボンベが保管されているアオギリサービスの倉庫、その窓際に合った竹竿には作業服を干すために使われており、事故の夜も同様に作業服がぶら下がっていて…。

強風にあおられて倒れたガスボンベのバルブが破損して、作業服をひっかけたまま窓を突き破り、タンクに当たった、という仮説を天ノが話したのです。

「それを見た水上さんは、白い鳥が飛んできた、と錯覚した…そして、ボンベがタンクに直撃し…」

あの爆発が起きたのだ、と。

その飛距離について、調査委員から疑問が投げかけられました。

野津田は調査結果から、アオギリサービスの倉庫からタンクまで320m離れていることを話しましたが。

天ノは過去にアメリカで同様のボンベが点検中に破損して200mもの距離を飛び、壁に激突したという実例を挙げました。

「暴発したボンベの運動エネルギーはそれほどの力を持つ、ということです」

しかし、いずれも320mには及びません。

委員長からは、事故現場にそのボンベの残骸がないなどの意見が出ました。

「もし間違っていたら、事故調査委員会の我々のメンツは丸つぶれです」

「メンツ…?」

天ノの眉間にぎゅっとシワが寄りました。

「やはり水上さんの操作ミスと言う説がもっとも有力と思われますが、みなさん、どうでしょうか?」

会議全体の流れは、そういう説にまとまりかけていったのです。

再現実験

せっかく手掛かりがつかめそうに見えたのに、ヒューマンエラーに落ち着いてしまいそうな現状に、野津田は不満を持っていました。

「再現実験をしませんか?」

天ノの本来の仕事である新製品の実験を行っている間にも、そんな会話が続きます。

「勝手なことを言わないで。500万円かかるのよ。志保が許すわけないでしょ?」

しかし、あの事故調査委員たちの様子を見ていた野津田は食い下がります。

「不可能なら不可能で、それを実証すべきです!」

その時にやっていた仕事で入ってくる予定の研究費用が1000万円。

天ノは、その半分を再現実験費に借りるという約束を志保に取り付けていたのです。

しかし、同じ規模の台風が同じようにやってくるという保証はありません。

「滅多に来ないなら、こっちから行けば良いの」

そういう天ノと、野津田は即座に某・南の島に飛びました。

そこには数多くの外国人が揃っており、既に機材のセッティングまでが行われていたのです。

そこに居る皆が天ノを知っていました。

挨拶を交わしてハグするその面々がいずれもノーベル賞候補に挙がる超優秀な科学者であるということに気付いて、野津田は呆然としていましたが。

そんな様子は意に介することもなく、天ノは彼らを促しました。

「OK! It’s everyone ready!」

その一言ですべてが動き出しました。

「ところで、マナコ、例の研究は進んだのかい?」

一人がそう尋ねると、野津田は興味津々ですが。

天ノは「あなたには関係ない」と遮ります。

しかし、彼は「タイムマシンだよ」と言うのです。

「過去に戻って、どうしてもやり直したい失敗があるんだそうだ!…人類最大の失敗だよ」

そのミステリアスな言葉は、野津田の心に残りました。

完璧な実験、その結果

気象条件をすり合わせて行われたその実験結果は、概ね200mと言う記録を叩き出すものの、残念ながらさすがに320mをクリアすることはできず。

思ったような結果にならなかったことで野津田は凹んでいました。

「でも、タイムマシンには驚いたな。先生って、意外とロマンチストだったんですね」

「は?」

「今照れました…?でも、何なんですか、先生の最大の失敗って」

「昔に戻って、自分に教えてあげるの。その男と結婚するのは止めておけ、って泥沼にはまって、一年で離婚するぞ、って」

「…そんなこと」

あまりに意外な返答に、野津田は驚き、言葉を失っていました。

「そんなこと、って何よ?」

「そもそも、元をたどれば、先生が結婚したこと自体が失敗だったんじゃ…」

「___元をたどれば…?」

真顔になった天ノの様子に野津田は「すみません!冗談です!」と慌てましたが。

既に天ノの関心は現場に飛んでいたのです。

元をたどる。
電源喪失。
冷却できない。
止まらぬ反応。
一酸化炭素。

目まぐるしく脳内で結ばれる真実の像に、天ノは呟いたのです。

「私、失敗しちゃった…」

第四回 事故調査委員会、その結論

その席上にアオギリサービスの青切と先日見かけた若い社員たち二人が呼ばれ、聞き取り調査が始まりました。

「お聞きしたいことは一つだけです。

あの日なぜボンベが飛んだのか、お心当たりはありませんか?」

若手社員が反論しました。

「待ってください、それはウチのボンベが事故の原因と言う前提の話じゃないですか」

「その通りです」

「ふざけるな!」

青切は動揺を押し殺して天ノに迫ります。

「わざわざ南の島で実験して、その結果一度も、ボンベはタンクに届かなかったそうじゃないか!」

「確かに、実験は失敗でした。でもその失敗が、答えを教えてくれました」

そう言ってほほ笑む天ノの指示で、野津田は卓上にその実験結果のモデルを展開したのです。

繰り返された実験の結果、ボンベの多くは170~210mの間に落ちていました。

しかし、その落下地点には太いパイプが走っていたのです。

それは、緊急時に一酸化炭素をタンクに送り込むためのパイプラインだったのです。

「水上さんが最後に残した言葉は“白い鳥が…鳥がぶつかって穴が”…私たちは、てっきり、タンクが破損した穴だと思いこんでいたのですが。

実際には、タンクから100m離れた配管にボンベはぶつかって、穴をあけたんです。

もともと冷却機能を失ったタンクが、最後の手段の一酸化炭素の供給も止まり、爆発したんです。

元をたどってみて、判りました」

「言いがかりだろ!…そんなの、ただの憶測じゃないか!」

しかし、天ノはすでに見つけていたのです。

これまでは、タンクを中心に行っていた調査でしたが。

破損したパイプラインの傍に、アオギリサービスのガスボンベと一致する仕様のものの残留物が発見されていました。

「事故後にボンベの数は確認していませんか?一本足りないことくらい、気づいていましたよね?」

野津田の言葉に、青切は社員を恫喝しましたが。

「もしかして、解っていて隠したんですか?」

「違います!本当に何も…タカシ、またお前がしくじったんじゃないのか?!」

そうして仲間割れのような諍いになりました。

「もういい!全員集めろ。誰の責任か、すぐに突き止めてやるからな!」

青切の言葉に、天ノは「ああ、どうでもいいんです、そんなことは」と抑えました。

「私たちはジコチョーですから、だれの責任かではなく、なぜ起きてしまったのか、を知りたいだけです。

一見の大事故の裏側には、およそ29件の軽微な事故が起きている。例えば、あなたがこの前起こした荷崩れのように。そしてその29件の軽微な事故の裏側には、300もの小さなミスが隠されているんです」

「ハインリッヒの法則?!」

野津田はその天ノの真意に驚き声を上げました。

彼女がアオギリサービスの勤務状況を確認した所、過重労働で、社員が慢性的に疲弊している傾向にあったことが判明したのです。

「当然、注意力も労働意欲も疲弊して、些細なミスが頻発する…ボンベの個数を把握していなかったこともその一つ。

そういう杜撰な管理体制がボンベの暴発を招き、爆発事故の引き金になってしまったんです」

青切は、思うところがあったのか、その天ノの話を呆然と聞いていました。

「以上が、事故調査委員会の結論です」

委員長は天ノの言葉にうなずきました。

彼の、真意

「これで少しは水上さんも浮かばれますね」

そんな野津田の言葉にも釈然としない風情の天ノは、日誌のファイルを見つめていました。

「まだ何か」気になっているんですか?」

「水上さん、どうして俺のせいだ、なんて言ったのかしら」

「確かに。

きっと工場の職員の一人として責任を感じていたんじゃないんですか?

でもこれで彼の名誉は守られたんだから、良かったじゃないですか」

そのとき。

一枚一枚のページをめくっていた天ノの目には、思いがけないものをみつけていたのです。

増渕は辞表を提出していました。

「こんな事故を起こしたんだから、当然です」

「でも、あなたは悪くない…アオギリサービスのボンベが原因じゃ、どうしようもなかった」

野津田はそう弁護しますが、その辞意は揺るぎません。

「水上さんの業務記録、最後の書き込みを見てください」

天ノが促すと、一連の書き込みからずっと先の白紙のページに、一行だけ書き込みがみつかったのです。

一か月後の日付のページに、“UPS修理連絡”と書いてある、それは、非常用電源を意味していました。

非常用電源は、あの日の落雷ではなく、それ以前に壊れていた、ということ。

その修理をすぐに行わず放置していたのだとしたら、明らかに水上のヒューマンエラーである、という事実を、天ノが見つけてしまったのです。

「だから“俺のせいだ”って言ったのか」

野津田はやっと天ノの話に追いつきました。

「確証はあるんですか?」

増渕はファイルを閉じて天ノをみました。

「いいえ、単なる私の妄想です」

そして失敗学を推す彼女だからこそ見抜いた水上の本質がそこにあったのです。

「確かに水上さんは失敗が多い人でした。

でもそれは、他の人なら目を背けるよううな小さな失敗にもちゃんと向き合ってきたことの裏返しです。

彼はどんな失敗も隠さず全員と共有しようとしていた。同じ失敗を繰り返さないためにも…違いますか?」

増渕は、大きく息を吐きました。

「このプラントは、最近収益が下がってて、本社から厳しく言われていたんです。

挽回のためにフル稼働していた矢先に非常用電源の不具合を水上がみつけた。

修理して点検するのに、プラントを何日も止めなければならない…そんなこと、できるわけがない!…一か月だけ、黙っててくれと、水上に…」

自分が殺したようなものだ、と吐露して涙を流す増渕に、天ノは空気を読まずスマホを差し出して尋ねます。

「動画で撮影してもよろしいでしょうか?今のセリフ、もう一回お願いできます?失敗を防ぐためには経験者の生々しい言葉がとても大切なんです」

流石に野津田が慌てて止めましたが。

天ノの言葉は続き、タコマ橋の話のネタ晴らしまでしてしまったのです。

そして、タコマ橋を作った建設者たちはその崩落を撮影して世界中に拡散したことから、同様の事故は起こらなくなった、とも。

「私はあなたが水上さんを殺したとは思っていません。ですが、第二の水上さんを出さないためにも、あなたの失敗を多くの人に伝えていってください」

この失敗を、終わりではなく、始まりにしてください___それが、ジコチョーの仕事の究極の目的でもあったのです。

タイムマシンに願うこと

鳥の声の翻訳マシンとか、相変わらず天ノの研究室は天才と何かの紙一重の部分で危うく沈みそうになるところを回避しているような状況でした。

野津田は、非常用電源と水上の書き込みまでを公表する必要があったのか、と今も思い悩んでいましたが。

「ジコチョーが隠してよい真実なんて、無い」

天ノは変わらずマイペースの日々です。

志保は何某かを企んだような表情で野津田に、天ノのデスクを片付けるように、と指示しました。

「真奈子、いつまでたってもやらないのよー」

そこには、タイムマシンのラフ画や構想のメモがまるで落書きのように残されていました。

1979年3月28日
1986年4月26日
2911年3月11日

それは、スリーマイル島事故、チェルノブイリ原発事故、そして東日本大震災。

天ノが取り返したい”人類最大の失敗”とは…福島第一原発の爆発だったのです。



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【ミス・ジコチョー】1話の感想

最初に思い出したのは、東野圭吾さんの「ガリレオ」です。

科学の知識や再現実験といった趣は同じジャンル的な匂いがしました。

松雪泰子さんのキャラクターがとても素敵!

素晴らしい完成度です。

美人で変人で天才で最後にはきちんと結果を出せる人。

素敵な年齢不詳のお姉さんが登場したなぁ、という感じですね。

なんともチャーミングな彼女ですが、その究極の目的がタイムマシンを作ることというのも、ぶっ飛んでいて素敵。

と言うよりも、それはある目的を叶えるための手段、としての到達点なのですが。

人類が経験してきた未曽有の危機、その三つの事故の日付が書かれたメモを見て、野津田くんは眩暈を起こしているような描写がされていました。

まさか。

いやでも、本当にこの人ならやっちゃうかもしれない…?!

そんな期待を、まるで視聴者と共有しているようなそのお芝居、素敵でした。

それはファンタジーではありますが。

素敵な夢物語です。

リアルなお仕事ドラマに、そういう要素をぶっ込んでくるそのバランス感覚凄いなぁ、と思ったら、脚本家さんが凄い人たちでした。

八津弘幸さん:「半沢直樹」、「ルーズヴェルトゲーム」、「下町ロケット」、「陸王」
徳尾浩司さん:「おっさんずラブ」シリーズ

…錚々たるメンツではありませんか!

絶対面白いよ、これ!

今期も楽しみがまた増えました!



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【ミス・ジコチョー】1話の視聴者の声


あ、ほんとだ、ガチバトル始まりそうな対比ですね!


このレゴの再現モデル凄いレベルでした!


ここにマキタスポーツさんも入れて欲しかったなー、アオギリサービスの社員くんたち


探してみようかなー。


そのまま最後まで突っ走る勢いを毎回楽しみにしています!

まとめ

松雪泰子さん、まさに年齢不詳の美女に。

こういう人を美女と言うのであって、美魔女とは言わないのが興味深い。

長い髪を太めのみつあみにしているところに大いなる拘りを感じます。

あれはちょっとリアルにはあり得ないボリュームなので、キャラクターとしてのポイントなんでしょうね。

そして母親が同業で、しかも余貴美子さんというチョイスがまた渋い。

「シンゴジラ」で見せたショートのグレイヘアバージョンていう感じでカッコいいです。

同業ということであれば、親子対決もあるのかな?

だとしたらちょっと楽しみなキャラの対比ですね。



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