2019年秋ドラマ

【ミス・ジコチョー】3話のあらすじネタバレと感想!燈、過去との対峙と失敗の克服?

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ドラマ「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」第3話が2019年11月1日(金)に放送されました。

ライブハウスで起こった火災の原因究明に挑むことになった真奈子(松雪泰子)でしたが。

彼女が睨んだ原因は燈(堀井新太)のかつての勤務先に絡むものでした。

燈の心に巣食ったトラウマとは、一体…?!

ここでは、「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」第3話のあらすじ(ネタバレ)と感想、視聴者の声を紹介していきます。

【ミス・ジコチョー】3話のあらすじ(ネタバレ)

“奇跡”のライブ火災

人気のガールズバンド“LOOSE MARIE(ルーズマリー)”のライブ中に、出火し、メンバーの一人、キーボード担当のルナが亡くなる、という事案が発生し、事故調査委員会が発足しました。

証拠ともいうべき映像は、ネット配信番組のスタッフが撮影しており、その様子は詳細に残されていました。

真奈子は、その状況説明を受けて「奇跡ね」と呟いて、周囲をドン引きさせていました。

彼女が知るライブハウス火災の事例はライブ演出の花火からカーテンに燃え移ったり、世界各地のナイトクラブで起こっている火災でも、殆どが数百名に及ぶ犠牲者をだしているというのに。

「今回はたった一人___だから、奇跡。非常に興味深いケースね」

その口元に思わず笑みが浮かんでいることをアシスタントの燈は窘めますが、ニヤニヤはとまりません。

運営会社オーナーの釧路は他にも同様の施設を運営していることから、安全性に問題がある状態では困るのだ、と主張。

事故調査委員長の大帝大学の戸崎名誉教授も様々な状況について質問をしていました。

その中で、釧路が言ったのは「本番ではもう少し派手にしたいから、花火の火薬を増やせないか、とメンバーから頼まれた」と言う言葉。

勿論却下したものの、もしかしたらバンドのメンバーが勝手に行ったのでは、という憶測も飛び出しました。

その時、配布された資料を見ていた燈の表情が強張っていることに真奈子は気づいたのです。

「燈くん?」
「…あ、はいっ!」
「何か言いたいことがあるなら、言いなさい?」
「いえ、別に…」

ガチの女子トーク

当日演奏していたルーズ・マリーが所属する事務所に出向いた真奈子と燈は、メンバーたちから話を聞くことになりました。

彼女らは、確かに花火の火薬を増やせないかと聞いたものの、規則だからダメと言われて「自分らの演奏で盛り上げよう!」と奮起したというのです。

ドラムのリンコ、ベースのミッツ、そしてボーカルのアイカはルナが亡くなったことにショックを受けて、項垂れるばかり。

「単刀直入に聞きますけど、どうして火事が起こったと思いますか?」

真奈子の言葉に、マネージャーが「そんなことは解りませんよ!」と反論します。

「我々は、許容範囲の中でライブを盛り上げただけです!花火が原因なら、会場側の責任じゃないですか!それなのに、マスコミは…まるで私たちがルナを殺した、みたいな言い方をして…!」

真奈子はそのマネージャーの剣幕に、燈に囁きます。

「燈くん、さっきトイレに行きたいって言ってたわよね?」

「え?」

「無理しない方が良いわよ?」

その意図に気付いた彼は、マネージャーをメンバーから引き離すために一芝居うち、廊下に彼を連れ出すと…真奈子は「さぁ、もう保護者が必要な年齢じゃないわよね?」と身を乗り出しました。

「ガチの女子トークよ!」

あの日、パニックが起こりそうだったライブハウスで、非常ベルが鳴り響く中、アイカがマイクを取って叫びました。

「お前ら、落ち着け!」

非常口が後方の左右にあること、煙を吸わないよう慌てず、落ち着いて行動するように、と指示をすると、避難の列は整然と形作られ、それを追うようにスタッフとメンバーも外に出たのです。

ただ一人を除いて。

「みんなを守りたかった」

アイカは、ファンをとても大切に思っていたのです。

そして残る疑問が一つ。

「なぜ、ルナさんだけが現場に残ったのか」

真奈子が示す疑問に、アイカがまっすぐに目を見据えて答えました。

「私が殺した」

不協和音

「それは違うって!」

「あいつが出口を間違えたんだ」

「ルナだけ?自分から中に戻ったとしか思えない…」

最近、アイカとルナの間がうまくいっておらず、アイカはミスを咎めて怒鳴ることもあったのです。

ルナは、憤るアイカの顔色ばかりを気にして委縮しており、自分の不甲斐なさを噛みしめて「これ以上続けられない」と言い、件のライブを最後にバンドを、そして、もしかしたら音楽そのものを諦めようとしていたのかもしれない…というのです。

研究室に戻った真奈子と燈に、志保(須藤理彩)と郁美(高橋メアリージュン)が死因の一酸化炭素中毒を絡めながらも、“衝動的な自殺の可能性”を示唆し、現場見取り図を見ながらの検証を行いました。

「もし本当に自殺だったとしたら、大馬鹿ね…自ら命を絶つのは、一番の大失敗よ」

「みんな、先生みたいに強くありませんよ…」

そのとき、郁美が大画面で再生されていたライブ映像に異変を見つけたのです。

画面右上に花火が揚がるより前に白い煙が充満し始めていた瞬間でした。

それは天井に設置されていた大型エアコンだったのです。

「エアコンが原因の火災は過去にも例があるわ。そうでしょ?燈くん。最初からその可能性に気付いていたんじゃないの?」
驚く志保と郁美をよそに、真奈子は燈を連れて出ました。

行く先はエアコンメーカーです。

「え、だって、エアコンが原因だって決まったわけじゃ…」

そう言ってじたばたしている彼に荷物を押し付けて真奈子が言うのです。

「失敗の匂いがする…」

「いってらっしゃーーーい!」
元気よく見送ったものの、志保は「大丈夫かなぁ」と呟きます。

「いつもの事じゃないですか、先生のアポなし訪問は」

郁美の言葉を受けて、志保が「心配なのは彼の方よ」とパソコンの画面を示します。

そのメーカーは、燈が大学に助手として入る前に勤務していた会社だったのです。

古巣の洗礼

ユニゾンエアーでは、開発部長の黒島が真奈子と燈に対応しました。

「元気そうで何よりだよ、野田君」
「野津田、です」
「ああ、そうだった…失礼失礼」

のっけから、張り付いたような笑顔の黒島部長は牽制するように慇懃な態度です。

「驚いたなぁ~まさか君が事故調とは!」

「正確には、私の助手として参加してもらっています」

真奈子が言うと、意味ありげに「でしょうねぇ!」と笑う黒島。

「天ノ教授の名前はかねてより伺っております。お会いできて光栄です」

「どうも!」

「ですが、いきなり押しかけてきて、弊社の製品に不具合がないか、と言われましてもねぇ」

「あくまでも一つの可能性ですので…」

しかし、黒島は製品の関係書類は社外秘として開示することを拒否、これまでに出荷した事例もなかった、と答えます。

件のライブハウスの業務用エアコンはユニゾンエアーの基幹商品であり、一月後にはそれをベースにした家庭用エアコンのシリーズを発売するのだ、というのです。

「確証もないのに、うちの製品に悪評を立てられたら、多額の損害賠償を請求することになりますよ!」

黒島は意味ありげに燈をねめつけ、言いました。

「そもそもあの製品に問題がないことは、そこにいる野津田が、誰よりも良く分かっているはずだ!」

「…どうなの?」

俯く燈に、真奈子が訪ねても、彼ははっきりと言葉にしかねる何かを抱えている様子です。

「それは…」
「お前、また同じ失敗繰り返すつもりか?」

黒島の言葉は燈をフリーズさせてしまったのです。

燈の過去

「辛さ20倍、晴天の霹靂ラーメンです」

以下にもヤバそうな真っ赤などんぶりがサーブされ、燈は言葉を失いました。

「おいしそう!いただきまぁす」

真奈子は箸を取りためらうこともなく麺をすすって「うん!ん~美味しい!」と呟きます。

そのクールな様子に油断した燈は火を噴きそうな辛さにむせて水を呑み込みました。

「オーバーねぇ」

「僕は…っ!こんなの食べれません!」

「感情に流されそうになったときには辛いもの食べるの。神経が味覚にもっていかれて、その後冷静さを取り戻せるから!」

実に科学者らしいリカバー方法ですが、燈は自分の心を見透かされたようで、穏やかではいられません。

「3年前、僕もあのエアコンの開発に参加していたんです。下っ端の雑用係みたいなもんでしたけど。たまたま、製品にミスがある可能性を見つけてしまって、上司だった黒島に報告しました」

基盤をコーティングする新素材には放熱性に問題があり、蓄熱して制御系が故障する可能性があるのでは、と申し出ると、黒島は「馬鹿な…既に最終調整段階にきてるんだぞ。ここにきてそんなミスが…」と驚いていたのです。

もしその可能性が本当であれば、販売計画を白紙に戻さなければならない…。

「それがどういう意味を持つか、解ってるのか?」

「ですが、これが世の中に出て問題が起これば、それこそ取り返しがつかないことになりませんか?検証して何も起こらなければそれで良いわけですし」

燈が提唱した可能性を検証するのに三週間かかって、結果的に何の不具合も発見されず。

その遅れがもとで、ライバル社に先を越され、会社に10億の損失を負わせてしまった、と言うのです。

「お前は失敗したんだ!」

そして、開発から外された燈は閑職に回され、大量のデータ入力を押し付けられてもうろうとする中で、メールの送信先を誤り、社外秘の情報を流出させてしまった、というのです。

「みんなの信頼を取り戻したくて、焦っていました…自業自得ですよね。そもそも軽はずみに、あんな仮説を口にするんじゃなかった…」

真奈子はずるずると音を立てて激辛ラーメンをすすっています。

「あのう…そんなに興味ないですか?僕の事!」

「あるわよ!」

「へ?」

「失敗は、対処を間違えると次の失敗を生む。失敗を断ち切るにはどうしたらいいか…アナタの失敗はその良い検証材料になるって思ってたから」

真奈子は、燈を採用するときに志保たちとその経歴を調べ、知っていた、というのです。

「じゃあどうして僕を一緒に行かせたんですか。あの会社にとって、僕は汚点なんですよ。僕が行ったら、相手は協力したがらないに決まってるじゃないですか」

真奈子は、その燈の気持ちにしれっと答えました。

「開発にかかわったあなたが行けば、相手はボロ出すんじゃないかと思ったんだけどね!」

「今回の事故調は、僕を外してください…」

それでも事故調は続く

「って言ったのに何で僕が一人で事故調をやらなきゃならないんですか――――っ!」

緊急事態発生、真奈子が開発しているロボットアームに不具合が発生し、現場に泊まり込みで作業をしなければならなくなった、というのです。

「だったら僕もそっちに参加します。事故調にはほかのメンバーもいますし!」

「そう言ったんだけど、そんな無責任なことはできないって…後のことはあなたに任せるそうよ?」

“事故調”に対して厳しい志保を口説く条件として、真奈子がロボットアームの現場を担当し、燈が事故調を分担する、ということが決定事項になっており、そんな志保に無責任に励まされて燈は途方に暮れたのです。

母と娘、再び

開発途中のロボットアームの現場で、実機の様子を見ていた真奈子は、その動作に納得がいきません。

「手首作動関節の可動範囲が足りないわねぇ」

背後から、覚えのある声が聞こえてきます。

「やっぱり事故調なんかより似合ってるよ」

母の南雲喜里子博士(余貴美子)が秘書を従えて立っていました。

彼女がトップを務める国立工学創造センターは、同様にこの会社とプロジェクトを進めており、その仕事で訪れていたのです。

「邪魔しないでくれる?」

「随分ねぇ!せっかく母親が娘を心配してきてやったのに」

舌戦が展開されかかって、喜里子は退散しましたが。

彼女は思わせぶりな視線を開発機に向けていたのです。

原点回帰

研究室の作業台の上に、問題の業務用エアコンがバラされておかれていました。

郁美はありえそうな要因をいくつか挙げていきましたが、該当するコンディションはありませんでした。

「前に燈ンが疑った設計ミスはどんなことだったの?」

それは、エアコンの制御基板を新素材でコーティングしたことによって、放熱特性がよわくなり、蓄熱して故障を誘発するのではないか、ということでした。

「なるほど!…やっぱりエアコンじゃないのかもしれないなぁ…ここまで、仮説の一つも立てられないんじゃねぇ」

…何かを思っているような、しかし黙り込んでしまった燈を見て、郁美は口を開きました。
「あんたさぁ、ずっとそうだよね…」

 燈はうつむいて、ぽつりぽつりと答えました。

「怖いんだよ。また、取り返しのつかないことになって、ここにいられなくなるんじゃないか、って。もしまた、安易に仮説を立てて、それが間違ってたら、俺だけじゃなくて、先生の信用も傷つけてしまうかもしれない」

「先生は、燈ンを見捨てたりしないよ?」

「いや…ここに採用された理由だって、失敗学の検証材料なんだと思う…工学者として認められたわけじゃない…いつ首になってもおかしくない」

項垂れて背中を向ける燈に、郁美は言いました。

「なら、せめて私には教えて。どんな仮説を思いついた?」

夜のバーで。
真奈子は志保に尋ねました。

「燈くん、どう?」

「しぶしぶ事故調引き受けたけど、ホントはあなたの方手伝いたかったみたい。彼、もともとロボット工学やりたいって言ってたから」

「そう」

「でも今の彼には無理ね。今の彼じゃあ、失敗を恐れて自分の考えを押し殺してるようじゃ、工学者としての未来はない!」

「厳しいわねぇ」

「あなただってそう思ってるから、事故調続けさせたんでしょ?」

年長者、そして先輩が燈を見る目は、意外と優しく、温かいものなのかもしれません。

花火なのか、それとも…

ライブハウス運営会社の釧路は、使用された花火の火薬が規格より多く仕込まれていたと報告しました。

真奈子は欠席しており、燈はその代理として出席していましたが。

怖くてなかなか言い出せずにいたその仮説が並ぶタブレットを膝の上に抱え、うつむいていました。

エアコンの焼損事故、コネクタ半挿し、はんだクラック、電源端子ねじのゆるみ、コンセントのトラッキング、小動物今夕、コンデンサ液漏れ、電子部品の偶発的故障、そして、コーティングの劣化___。

委員長は、これまでの調査結果から、次の会議で結論をまとめる予定であることを述べ…「何かありますか、野津田さん?」と声をかけてくれました。

「え…あ、その…いえ、なんでもありません…」

燈は、言葉を呑み込んでしまいました。

不甲斐なさを噛みしめたその帰り道、彼は火災現場のライブハウスに花束を抱えて寄ってみると、そこにはギターを背負ったアイカがいたのです。

「火事の原因、やっぱり花火だったそうですね」

手を合わせていた燈にアイカが尋ねました。

「まだ100%そうだと決まったわけでは…」

「私なんです。もう少し派手にならないか、って最初に言い出したの…」

いたたまれない思いで、燈はうつむく彼女を見ました。

「ルナとの、最後のライブだったから…私のせいなの」

そう言うと、アイカは立ち上がり、足早にその場を去って行ったのです。

「飛ぶのはあなたよ」

研究室に戻った燈は、基盤の調査を再開しました。

諦めが支配していた彼とはまるで別人のようで、郁美が呆れる熱心さです。

至った結論は___“コーティングの劣化”です。

そこに、志保が飛び込んできました。

「真奈子は?」

なんでも、ロボットアームの開発環境設定でミスが発見され、プロジェクトは中断し、すべて白紙に戻された、というのです。

「そして、それを指摘したのが南雲博士だった…」

真奈子にとっては、最悪を超える事態です。

「それは…相当ショックですよね、先生」

郁美の声音は痛々しい程です。

「さっきから連絡してるんだけど、出てくれないのよ」

「まさか、また飛び降りるつもりじゃ…」

「飛び降りる?!」

燈るがぎょっとして二人を見ました。

以前、大失態した時にとある渓谷で飛び降りようとして、その時には思いとどまったのだ、という志保と郁美の話に驚く燈。

「失敗学なんてやってるから、自分の失敗の大きさがわかって、かえってもろくなるのよねぇ」

「俺、行ってきます!」

飛び出していこうとする彼に、志保が「真奈子、頼むわね!」と声を掛けました。

森を抜けて、辿り着いた先は風光明媚な須津川渓谷。

仰いだ橋の上にいた真奈子の姿に、燈は思わず駆け出していました。

「先生!ダメです!自分から命を絶つことは、人生最大の失敗だって!いってたじゃないですかぁああああああ!」

「は?何のこと?」

「何って、今!飛び降りようとしていましたよね?!」
「まさか…飛ぶのはあなたよ」

“3、2、1、バンジー!!!”の掛け声とともに背中を押され絶叫が渓谷に響き渡りました。

女三人にまんまと担がれた燈はバンジー台からダイブさせられるはめになり、放心状態ですわりこんでいたのです。

「ああ~~~すっきりしたぁ!」

満面の笑顔の真奈子に「飛んだの僕ですから!」と言う燈。

「知り合いが墜ちていくの見るの、たまんないんだよねぇ…」

「なんすかそれ!僕はてっきり先生が飛び降りるって聞いて!」

「ああ、私は無理、高いところ苦手だから」

「前に一度チャレンジしたけどダメだった。あれ?志保たちから聞いてない?」

燈の脳裏に浮かんだのは、先刻の志保と郁美の会話です。

「ああ、それで勘違いしたんだ?」

「わざとですよねぇ!?」

「さぁ、次行くわよ!」

「は⁈」

そこはシックなアジアンテイストのマッサージサロンでした。

二人並んで施術をうけ、真奈子はその間に爆睡していたのです。

「まったく、人が心配してきてるってのに…」

「良いじゃない、気持ちよかったんだから」

「こんなの、ただの現実逃避ですよ。失敗から逃げてるだけじゃないですか」

「そうよ。逃げなきゃダメなの。失敗したら誰だって落ち込むし、冷静じゃいられないでしょ?」

あまりに意外なその言葉に、燈は真奈子を見つめました。

「そんな時に無理して頑張っても、かえって大きな失敗をするだけよ。大体私が失敗したのはあいつのせいなのよ」

喜里子の存在に気が散って失敗した、私は悪くない、と小学生のようなことを言う真奈子に呆れた燈は「先生らしくないです
よ」と嘯きます。

「そんなつまんない正論行ってると、天罰下るわよ」

その瞬間、足裏のツボを直撃されて悶絶した燈、そして真奈子。

次のリカバリーのプロセスはまたまた激辛グルメです。

“辛い(からい)”と“辛い(つらい)”の狭間で

真っ赤に燃えるような鍋の中にはくつくつと野菜と肉がにこまれていました。

真奈子はそれをためらうことなく取り分けて燈にも寄こします。

「失敗から回復するには、
1:まず逃げること!
2:誰かに愚痴を言う事、
3:ぐっすりねむること、
そして4:美味しいものを食べる事!」

パクリと一口目を食べて、真奈子はかたまりました。

「どうしました?」

「キタ!これはヤバい…!」

「燈くんも食べなさい!」

「絶対嫌です」

「上司の命令が聞けないの?」

「パワハラですよ。僕が訴えたら、僕の勝ちです」

「やれるもんならやってみなさい。バンジーで泣いてたあなたの写真、流出させてやるから!」

んんんーーーーー!と震えながら激辛の鍋を食べていく真奈子を見て、燈はあきれたように言いました。

「強いっすねぇ、先生は…僕が先生の立場だったら、おそらく一か月は立ち直れませんよ」

「カラ…」

「僕も先生みたいに強くなれたらなぁ…」

「辛すぎて…涙出てきた」

ブツブツ言いながら、真奈子はタオルを顔にあてて凌いでいました。

次第に、鼻をすする気配がしてきて、燈はハッとしました。

「“辛い(からい)”っていう字と、“辛い(つらい)”っていう文字は区別がつかないのよ…何言ってんのかしらね、私…」

その様子を見て、彼は決意しました。

「野津田燈、行きます!」

宣言して激辛鍋を掻っ込んで口から火を噴く彼。

「辛すぎて笑うかな…」

「笑うか泣くかどっちかにしなさいよ」

「先生こそ!」

ようやく笑いがこぼれる程に落ち着いた二人でしたが。

翌朝の燈には地獄が待っていました。

よろめくように出勤してきた燈は、前夜の激辛鍋の唐辛子で喉とお尻が大変なことになっていましたが。

真奈子は夜中に研究室に戻り、新しいロボットアームの抗争を練っていたのだと郁美から聞いて、愕然としました。

「朝一でロボットアームのプレゼンに行くって!野津田君のおかげで吹っ切れたみたいね。次は野津田君の番なんじゃない?」

志保はぱちぱちとソロバンをはじきながら言いました。

最終判断の前に

最後の事故調の日。

真奈子が不在の中で、燈はエアコンからの出火を提案しました。

誰も相手にしない中で、彼は懸命にその仮説を話していたのです。

ライブで使われる粘着性のあるスモークの粒子が付着することで、基盤のコーティングは劣化するのではないか、と。

「それは、天ノ教授のお考えですか?」

委員長の問いに、「いえ、私独自のものです」と燈が答えました。

しかし、他の参加者からは相手にされません。

「君はあくまでアシスタントだろ?弁えたまえ」

「検証するまでもない。やってみて何事もなければ、恥をかくのは君ではない。天ノ教授だよ!」

面倒だとでも言いたげな委員長の叱責に泣きそうになる燈でしたが。

そこに助け舟が出されました。

真奈子です。

「私は彼に従います。事故調は、彼に一任したので」

そして、検証実験が行われることになったのでした。

喜里子が実験施設を提供してくれました。

「今回は野津田君のためだから」

彼女はどうやら燈のことが気に入ったようです。

「興味あるのは彼の才能ね。こんな、針に糸を通すような仮説、なかなか見いだせないわ。ということはつまり、実証される可
能性はまず、無い!」

その言葉に、珍しく真奈子も同意していまったのです。

「やっぱりそうよねぇ…」

黒島部長も立ち合い、同程度の使用年数、系列のテンポから取り寄せた、似た状況で使われていたものを設置して行われた再現実験でしたが。

予想したほどには、基盤周辺の温度は上がらなかったのです。

同じ轍を踏んだ?

何も起こらず、いたたまれない気持ちで背中が丸くなる燈の背後で、黒島部長が言いました。

「全く、人騒がせな…」
「製品に問題がなかったことが証明されたわけですから、良しとしましょう」

委員長のとりなしにも黒島は止まらず、燈を恫喝していました。

「冗談じゃない。今回の件で、家庭用エアコンの発売を遅らせることになったんですよ。野津田ぁ!お前、どこまでみんなの足
を引っ張れば気が済むんだ?この件は、きっちりと償ってもらうからな。あなたも野津田に賛同したそうですね、天ノ教授、この責任、どうとるおつもりですか?」

委縮して震える燈の傍で、真奈子の脳内はめまぐるしく動いていました。

燃えたエアコン、新型コーティング、油膜の付着、熱応力と劣化___。

「燈くん、あなた、失敗しちゃったわね?」

真奈子は微笑んで言いました。

「え?」

「釧路さん、エアコンのメンテナンスはどのようにされていましたか?」

「ウチのグループでは、公演の前に必ずチェックしてクリーニングしてます」

「新型コーティングのおかげで、基盤を外さずに簡単にクリーニングできる、イージーメンテナンスが我が社のエアコンの特性だからな!」

黒島が誇らしげに言ったのです。

「今度は私たちを疑うんですか?」

釧路が真奈子に問いました。

「いえ、ただそのメンテナンスこそが火災の原因かもしれません」

本当の原因

真奈子は、釧路がいつもやらせていた通りのクリーニングを行わせて、そこから再現実験を始めました。

エアコンの内側を溶剤で洗い流したのです。

火災当日と同様にスモークを焚いて、エアコンを稼働しました。

本来は基盤部分をっ金属のガードで囲い、もしもの出火の際には延焼を防ぐ手立てを講じる者だが、このタイプはコストダウンのためと、新型コーティングに信頼を置いていたので、そうした部分を排除したシンプルな構造になっていたのです。

黒島が誇らしげに語っていたなかで、郁美が声を上げました。

「内部温度、80度になります!」

その声に、燈が一番驚いていました。

真奈子は新素材をエアコン内部で使用することに関して検証が足りなかったのでは?と黒島に言いますが、彼は認めません。

そうこうする間に130度に到達。

真奈子は基盤のコーティングが劣化する様子の仮説を事細かく説明していったのです。

「ありえん!」

燈が主張していた油性の付着物は、実は一時的に、劣化したコーティングを補修するような状態になっていたのですが。

クリーニングによってその油膜がはがされて、コーティングされた部分が剥き出しになってしまう可能性を、真奈子は説明したのです。

「皮肉にも、ひんぱんにクリーニングしたことでその付着物も取れ、水分が少しずつ基盤部分に沁み込み、1年、2年、と続けたとしたら…」

そのとき、基盤がショートして火花がちり、燃え上がりました。

「そんなバカな!」

真奈子は黒島に説いて聞かせました。

「失敗をゼロにはできません。機械も、人も。失敗を認めず、頭ごなしに非難するのではなく、失敗から回復できる力と環境を作ることが、大きな失敗を防ぐんです。良かったですねぇ、黒島部長。今回の事故で気が付かなければ、また御社の製品で人が死ぬところでした。野津田君に救われましたね」

黒島は、ぐうの音も出ず椅子に崩れるように座り込みました。

「あなたの最大の失敗は、彼を手放したことです」

真奈子は燈に言いました。

「君の仮説は間違ってた。でもそれがあったおかげで、本当の原因にたどりつくことができた。あなたの失敗は、価値のある失敗だった!」

その言葉を聞いて、喜里子はそうっと実験室を後にしました。

哀しみを超えて

ルーズマリーの三人に、燈はその火災の顛末を話して聞かせました。

「君たちのせいじゃなかった」

その言葉に、救われたように口元を緩めたアイリ。

「でも、ルナが私のせいで死んだことには変わりないから」

「僕はそう思わない。ずっと気になっていたんだ。どうして楽屋だったのかって」

自殺なら燃え盛るステージに戻るはず。

しかし、ルナは楽屋に戻ってスマートフォンを取り、そして一酸化中毒になって絶命したのです。

「スマホ?そんなもの、何で⁈」

「僕もそう思う」

燈は、ルナの家族から現物のスマホを借りてきて、メンバーに見せたのです。

その中には、曲の構想や思いついた歌詞などが収められていたのです。

再生すると、透明感のあるルナの歌声が流れてきました。

彼女はアイカが作った新しいメロディに、歌詞をつけていたのです。

「彼女は、君たちとバンドを続けたかったんじゃないかな…」

アイカの目から涙がポロリとこぼれました。

「これは、彼女にとってはかけがえのないものだった。だから、命がけで撮りに戻ったんだ。彼女は、絶対自殺なんかしていい」

その燈の言葉に背中を押されて、ルーズマリーはバンドを続けることになりました。

燈は真奈子に構想のラフスケッチを手渡しました。

ルーズマリーのメンバーから、ルナの演奏を完コピできるロボットを作って欲しい、と頼まれたのだと言います。

「お断りよ」
「え?」
「あなたが頼まれたんだから、あなたが責任もってやりなさい」

そう言うと、真奈子はロボットアームの研究を燈に任せる、と言い出しました。

真奈子が燈を採用した理由___それは失敗学のネタの宝庫だから、というのではなく。
天才的な工学者として才能…なのかもしれません。

「先生!チャンス!チャンスくださいっ!」
今日も二人は元気に出かけていくのです。



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【ミス・ジコチョー】3の感想

このドラマを観ると、なんだか元気が出ます。

真奈子が「失敗」にこだわっている理由の全貌はまだまだ見えませんが。

人は失敗するものだから、それをどう活かして次につなげていくのか、ということをとても分かりやすく説いている、ヒューマンなドラマだなぁ、と。

人は間違えるんです。
失敗するんです。

それが当たり前。
今の日本ではなかなか許容されない事です。

怖いですよね。

失敗するのも怖いけど、それを全力で叩き潰しにかかる社会は、もっと怖い。

燈くんは、良かれと思ってやったことで、会社を追われたトラウマに初めて真っ正面から立ち向かいました。

きっと、ものすごく怖かったはず。
でも、逃げなかった。

真奈子に、ある意味退路を断たれて、逃げさせてもらえなかったともいえるけど。

それでも踏ん張って、言いたいことをちゃんと言えたのは凄いことだったな、と思うのです。

そしてやっぱり母娘の葛藤は続くんですね。

喜里子博士の泰然とした空気の前では、真奈子はまだ“青いなぁ”と思ってしまうのですが。

それよりさらに若い燈くんからすれば、魔女並みに腹黒いこともあれば、包容力の大きな保護者ぶりも見せる。

3話でようやくチームとしての安定感が見えてきたこのジコチョー。

志保さんのどっしり具合と、郁美さんの万能っぷりのバランスが素晴らしく、そしてやり取りの言葉の応酬とか、もっと見せて!と言いたくなる楽しさです。



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【ミス・ジコチョー】3話の視聴者の声


↑マ ジ で す か?!それはちょっと嬉し過ぎる!


↑ 中学生とか、高校生に見せてあげたいな、って思う。
確かに、ネ申回でした。


↑ うまい、と思った(笑)。


↑ 参考にさせていただきます。


↑ほんと、かわいかった!ちょっとミステリアスで、アイドルっぽくないところが素敵。

まとめ

公式サイトのキャスト欄を見たら、8話までゲストがリストアップされています。

何これめっちゃ豪華!

今からとても楽しみなのは、真奈子の元夫である滝藤賢一さんの登場ですが。

木下ほうかさんや宇崎竜童さん?!
渡辺大知さんやラサール石井さんて、このラインナップは一体何事?!と思ってしまいますね。

まず手始め、と言っては何ですが。

この数年NHKでの登場の機会がとても増えた野間口徹さんが二話連続で登場します。

あ、もしかして次の医療事故のお話は前後編ものでしょうか。
間の一週間、生殺しの予感がします!



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