2020年冬ドラマ

【知らなくていいコト】最終回(10話)のあらすじネタバレと感想!彼女の恋と、未来

ドラマ「知らなくていいコト」第10話が2020年3月11日(水)に放送されました。

30年前の無差別殺人事件の真相が詳らかにされていき、乃十阿(小林薫)が”無実”であることがみえてきました。

しかし。

そこにケイト(吉高由里子)自身が無関係ではなかった、という残酷な事実も浮かび上がってきたのです。

ここでは、「知らなくていいコト」第10話のあらすじ(ネタバレ)と感想、視聴者の声を紹介していきます。

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【知らなくていいコト】視聴率(最新速報)と推移分析!視聴者の評価評判は?日本テレビ系・水曜10時のドラマ「知らなくていいコト」は、お仕事系ヒューマンドラマです。 週刊誌の記者として、忙しい日々を送る主人...

【知らなくていいコト】10話のあらすじ(ネタバレ)

ローテンブルクへ

あいかわらず賑やかな週刊イーストの編集部。

岩谷(佐々木蔵之介)は檄を飛ばし、デスクや記者たちはその指示に必死で食らいついていく中、ケイトは“病欠”としてその場に居ませんでした。

「風邪らしいんですわ」と黒川(山内圭哉)が言い訳していましたが…。

その頃、ケイトはドイツ・ローテンブルクにいました。

彼女が手にしていた紙には、トクラ・サトシ(橋本淳)という日本人ピアニストがローテンブルク・ホールでコンサートを開く、という情報が。

まさにその当日、彼女はまるで張り込みをするかのように彼を待ち構えていたのです。

コートのポケットに入れていたスマホが鳴りました。

「今どこ?」

尾高(柄本佑)からです。

「メールしても既読にならないし、イーストは病欠だっていうし」

「ローテンブルク」

「は?」

ケイトは、弁護士から聞いた情報から乃十阿徹の息子の現在を探り当てました。

乃十阿と離婚した正妻は旧姓の戸倉にもどり、その名前で育った彼はドイツを拠点にピアニストとして活動していたのです。

「気づいたら…飛行機に乗ってて___」

「息子に会って何聞くんだ?」

「…わかんない」

「わかんないのに、ドイツまで行ったのか?!当時三歳だった息子がなにか覚えてるわけないだろ?」

「だーって…じっとしてられないんだもん!」

「そうやって、人を追い詰めるから…乃十阿さんも出て行っちゃったんだよ」

「そうなんだ…」

「締め切りのあるイーストのネタ追っかけてるんじゃないんだから、ちょっとは落ち着けよ」

「そうやって、いつも大人の意見言う尾高さん、イライラする」

「イライラして、暴走して、また怪我したいなら…好きにしろ。俺また背中刺されんの、嫌だよ」

「背中まだ痛い?」
「___痛いよバカタレっ!」

そう叫んで尾高が電話を切った直後に。

ケイトが見つめる先に戸倉サトシが現れました。

小さなコンサートホールで、彼が弾くピアノを、ケイトはぼんやりと考え事をしながら聴いていました。

彼は33歳。

ケイトとは1歳しか違いません。

(この人が生まれ、翌年私が生まれた…何それ?乃十阿徹はどうしたかったの?)

両立しようとでも___?

つい先日、尾高が言った「さり気なく両立なんて、出来ない」という言葉が胸に刺さりました。

演奏が終わって、聴衆と笑顔で握手を交わしている彼に声をかけたケイトでしたが。

何も言えずにいると、そこに幼い息子と、ドイツ人の妻がやってきたのです。

仲睦まじい家族の姿を見て、ケイトは呆然としていました。

ただ「素晴らしかったですね」と演奏を褒めるのが精いっぱいで。

去っていく彼らの楽しげな様子を見送るしかありませんでした。

彼が守りたかったもの

「お疲れさん」

到着ロビーに吐き出されていく人の群れの中で、尾高はそうケイトに声をかけました。

「どうだった、とか聞かないの?」

「どうもなかったろ?」

「うん」

「行ってもムダだって、普通わかるよ?」

「乃十阿の息子には、三歳くらいの子供がいたんだけど…その子、見て思ったの…ハリヒメソウをタンクに入れたのが三歳の子供なら、罪に問えないでしょ?少年院にも送られない。じゃあ、何故…乃十阿徹は身代わりになったの?夫や、父親が無差別殺人の犯人の方が、妻子はずっと不幸なのに」

「そんなふうに考える前に、とっさに庇ってしまったんだろう」

ふっと、ケイトは歩みを止めて立ち尽くしていました。

「“乃十阿の子供”は自分だけのような錯覚起こしてたけど。全然ちがった。乃十阿にとって人生を賭けて守るべき子供は、私じゃなくて、息子の方だった。あーあ…あの人は、ママのこと、どう思ってたんだろ?なんで私という命をこの世に送り出したんだろ?そんな大切な子供が奥さんとの間に既にいたってのにさ…」

「理屈で考えたらそうかもしれないけど…そんなふうに割り切れないのが人生だよ」

誰が書くのか

春樹(重岡大毅)は、正気を失っているかに見えました。

青い光に包まれた水槽の中にいる亀に話しかけ、半泣きのような声で「愛が欲しいの…」と呟いていたのです。

ケイトが編集部に出勤すると、岩谷に呼ばれました。

「真相は掴めたのか?」

「何から話していいのかわかりません…」

ドイツに行った理由、そしてずっと考えていたことを話し終えると…岩谷は即座に言いました。

「そのまま書けよ」

ケイトは躊躇していたのです。

乃十阿が人生を投げうって守った息子。

“罪”を犯した自覚もなく、そして今、結婚し、子供を得て幸せに暮らしているその彼を窮地に陥れるような記事に何の意味があるというのか…。

「今までさんざん書いてきたのに、自分の身内のことになると怖気づくのか?」

「身内だとは感じませんでしたが、犯罪者にするのは嫌です」

「それは、乃十阿徹が悲しむからか?」

「彼に対する感情もよくわかりません」

「だったら書け」

「実は私は、殺人犯の娘ではありませんでした、と自分で世間に公表するようで、無様で嫌です」

「事実の面白さが、そんな問題をかき消すさ!___乃十阿徹は無実なんだろ?三年前、週刊イーストは乃十阿の出所の写真を掲載して、人権侵害だと糾弾された。しかし“乃十阿が無実なのではないかとこの事件を追い続けていた”ということになれば、三年前の汚名も晴らせる。尾高は何か知ってたのか?」

「直感的に…この事件は何かおかしいと感じて撮り続けた、と言っていました」

「出所してからの写真は、尾高の手許にあるんだな?良いじゃないか!」

「彼はそんな写真は出しませんよ」

「ケイトも尾高も俺の言うことを聞かないなら、この記事は俺が書く」

思いがけない方向に転がっていく話についていけず、ケイトは呆然と岩谷を見つめていました。

彼は、特別編成の岩谷班を組んで乃十阿の家族の情報を集め、乃十阿にもそれをぶつけるのだと言います。

「乃十阿は絶対に喋りませんよ?」

「喋らなければ弁護士の見解として書けばいい」

「弁護士の先生もそんなこと望んでいません!」

「ケイトが書けばあらゆる人は納得するだけど、ケイトが嫌なら俺が書く!以上!!」

岩谷はケイトを会議室から出すと、ピックアップした編集部の記者たちを集めて指示を出し、翌日からすさまじい勢いで取材を始めたのです。

暴かれた真相

百戦錬磨の小野寺(今井隆文)、木嶋(永野宗典)らによってさまざまな情報が揃い、これまで誰も知りえなかったあの事件の実像が、まるでジグソーパズルのように浮かび上がってきました。

乃十阿の妻は離婚して戸倉シズエに戻り、現在は再婚して唐木シズエ。

相手は元外交官で経済的にも恵まれ、今は高級老人ホームに入居しており、何不自由ない暮らしをしている、ということ。

シズエは、乃十阿を「知らない人」だと証言しています。

木嶋は、乃十阿一家の隣人だった柴田家から借りてきたという古い写真を見せてくれました。

ケイトが顔色を変えると「気づいたよね?…ここ」とペンで遠景に写り込んだところをさしました。

事件当日のキャンプ場での写真で、幼いサトシが飲料水のポットに何かを入れていると見える姿があったのです。

シズエは日常的に庭のハーブを摘んでハーブティを入れており、水に葉っぱをいれることが良いことだ、と考えていた幼い子供がキャンプ場に自生していた毒のあるハリヒメソウを入れたとしたら…そんな弁護士の仮説が成立してしまうのです。

そして、小野寺が話を聞いたサトシの通っていた幼稚園では、彼の同級生が先生になっており…そのつながりから当時の話を聞いたのですが。

「当時、乃十阿の奥さんは“夫の浮気で悩んでいる”と相談していたそうです。夫の愛人には、子供までいるようだ、頭がおかしくなる…と。乃十阿の奥さんは、子供に当たったりもしていたらしく…」

それはまさに、母の杏南(秋吉久美子)と自分のことだと、ケイトは表情を失っていきました。

「事実は、事実だ」

岩谷は断じ、そして小野寺を促しました。

「あのキャンプを計画したのは、奥さんの方で…夫婦関係を修復したくて提案したのではないかと」

岩谷は、参加したチームの皆を労いました。

「ケイト一人ではこんなに早く情報は得られなかった…さぁ、これをどう書くか?」

岐路

30年前。
自分と母の存在が事件の遠因を引き起こしていたのだと突き付けられて半ば呆然としていた時、ケイトは尾高に「話がある」と声をかけられました。

ケイトは「これから事件の被害者家族に会いにいくから、その後にスタジオに行く」と答えました。

自分の名刺を差し出すと、その遺族男性は静かに…しかし怒りをあらわにしました。

「あんた、どの面下げて私に会いに来たんだ?うちのカミさんが死んじまったんだ。それ、あんたが説明してくれよ?!取材じゃなくて!説明してくれよ!!」

ケイトは、それに巧く答える言葉を持ち合わせていませんでした。

その夕方…約束していた通り、ケイトはスタジオを訪れました。

「話したい事って、何?」

「うん…さっき、岩谷さんから電話があったよ。出所後の乃十阿の写真、出せって言われた。けど、断った…でも…ケイトは書くんだろ?」

「岩谷さんがそう言ったの?」

「乃十阿の娘って顔バレしてるのに、遺族に会いに行くっていうのは、書くってことだろ?」

「んーーーー…まだわかんない」

「取材対象に思いがあると、書きにくい、ってこと?」

ケイトは答えません。

「それってつまり、俺がニュースカメラマン辞めたのと似た感じだな」

そう話す尾高の背中を、ケイトはじっと見ていました。

「ケイトは、俺とは違うよ」

「どう違うの?」

「お母さんが亡くなってから今日までのことを書いたら、素晴らしいノンフィクションになる、ってこと___わからない、と言いつつ、実は書きたい、と思ってる。遺族にだって、本当のことを伝えたい、って思ってるだろ?」

「そうだけど…」

ドイツで暮らしている息子は、何も知らない。

突然、30年前に自分が人を殺してるなんて知ったら…?

ドイツ人の奥さんと、幼い子供はどうなってしまうのか。

乃十阿は無実だ、と書いても、人殺しのように指さされてしまうのは変わらないだろう。

「それでも!真実は、書く俺なんか、この世界に居てもいなくてもかわらない。だけど、ケイトは違う。曖昧に流されることが美徳とされているこの世界に、“真実はこうなんだ!”って切り込んでいく…才能があるし、天が与えた使命がある」

「どうしたの?尾高さん、今日は何か変」

「いつも同じ顔してたらバカだろ?!」

吐き捨てるように叫ぶと、彼はため息をつきました。

「ケイトの傍にいると、ケイトの命が削れる音がする。俺は削れちゃった部分を少しでも埋められればいいなぁって思ってきたケイトには、誰にもできない記事、書いて欲しい」

息子の居場所は伏せればいいし。

乃十阿も、たとえ傷ついたとしても娘の手で無実が証明されたら嬉しく思うはずだ、と。

「そんなにうまくいくかな…」

「岩谷さんが書くんじゃ、ダメだ。ケイトが書かないと。ケイトは俺とは違うんだから。命削って真実書けよ!」

「私のこと、洗脳しようとしてる…?」

「俺がニュースカメラマン辞めた時みたいに、なって欲しくないから…いや、違うな…俺は、そういう、命削って真実に突き進んでいくケイトが好きなんだ」

尾高は、おもむろにケイトを抱きしめて耳元に囁きました。

「結婚しよう___ケイトがいないと…もう、辛い…ケイトもそうだと思いたい」

「でも…」

「離婚は承知してもらった…届は出すだけなんだけど、子供のこと、話し合ってる…離婚が成立してからいうつもりだったけど、ポロっと出ちゃった」

「私も尾高さんが好き。死ぬほど好き…尾高さんが欲しい。一緒に生きていきたい___だけど!離婚しないで」

「ん?」

「この前、高村弁護士が話してくれた時に…尾高さん、乃十阿が子供を庇ったことに深く共感してた…親として、一つの命をこの世に送り出したこと、その責任を全うしてね。おだかさんには、子供を見捨てないで欲しいの」

「子供の責任はとるよ。出来ることは何だってする。もう後戻りできない」

「後戻りして!子供を手放さないで!」

「___出来ないよ…」

「乃十阿徹が人生を犠牲にして30年間守り続けた親の想いを、尾高さんも持ってる。でも私たちが一緒になったら、あなたはそれを捨てなきゃいけないでしょ?それは嫌なの。親としての心を失った尾高さんは、嫌なの!好きだけど…そんな尾高さんは受け入れられないの」

いつしか、尾高の腕はほどかれ、力なくだらりと垂れ下がっていました。

「尾高さんに言われたこと、胸に刻んで、記事、書くね」

「なぁ…俺と一緒になってくれよ」

もう一度抱きしめた尾高は言いました。

「二回も俺のこと振るなよ、ケイト」

夕日の中でかわしたキスを胸に、ケイトは泣きながら原稿を書きました。

昔のこと。
最近のこと。

尾高が見せてくれたやさしさ、傷と心の痛み。

全てを注ぎ込んでまとめた記事は、渾身の一本に纏められたのです。

その夜遅くに帰宅した尾高は、闇の中で一人泣く幼い息子の声を聞きました。

驚いて駆け寄ると、そこに妻の姿はなく…残された離婚届の親権者には、尾高自身が指定されていたのです。

それは、妻の復讐だったのかもしれません。

尾高は泣き止まない息子をぎゅっと力いっぱい抱きしめました。

ままならない運命

その夜明けに仕上がった原稿は岩谷に「絶好調だな、ケイト」と言わしめました。

「絶好調っていう気分でもないですけど」

右トップに採用されたことを、乃十阿に伝えに行く、というと。

黒川が心配していましたが。

「大丈夫です。殺人犯じゃないんですから」

「…そうやな」

ケイトの周囲も以前のような落ち着きと活気を取り戻してきました。

そんな時、彼…春樹が編集部に戻ってきました。

ふらふらと、まるで幽霊のような青い顔をして。

ぎょっとして静かになる周囲をよそに、岩谷のデスクに向かって歩く彼は、鞄から封筒を取り出すと「辞めさせていただきます」と言って差し出しました。

それは、退職届でした。

慰留することもなく、岩谷は「そうか、仕方ないな」とそれを受け取り、まるで期待が外れた、と言わんばかりに春樹は笑みを浮かべたのです。

そしておもむろに叫びました。

「みなさん!深層スクープに真壁さんのことを売ったのは、僕ですっ!どうぞ軽蔑してください。もう僕、会社を去りますので!真壁さん…!」

くるくると表情を変えて、ケイトの目の前にくると、彼は頭を下げて「すみませんでした」と謝罪したのです。

追い打ちをかけるように、岩谷が言いました。

「乃十阿徹、無実だったんだ」

恐らくそれが春樹には一番痛烈な攻撃だったのでしょう。

理解が及ばず、フリーズした彼。

「…はい?殺人犯じゃ、ないんですか?…“私は、殺人犯の娘だ”って」

「違ったんだよ」

「え?ん?…いや…じゃ、僕たち…なんで別れたんですか?」

「ケイトにはもう尾高がいる。お前と別れて大正解だ」

それはトドメでした。

「三月末で退職するよう人事に言っとく。それまで有給消化しとけ。来週の右トップ読めよ」

錯乱した春樹は東源出版に跪かれるような小説家になってやる!と宣言して引きずり出されていきました。

ケイトは、コーヒーをいれていた岩谷に、尾高と別れたことを告げました。

「え?」

「キレイごというな、真っ直ぐ尾高を求めろ、って言ってくださったけど、難しかったです」

「尾高は家庭を取ったのか」

「幸せいっぱい夢いっぱいじゃこの仕事はできない…どっか痛んでないとってことですよ」

ケイトは右腕をさすり、笑って言いました。

その後姿を見ていた岩谷は、その夜尾高のスタジオを訪ねました。

「子供を置いていくってのは、奥さんの復讐戦なのか…」

尾高は、膝に息子を抱いていました。

「わかりません。でも、もしあの時放置していた時間が長かったら、って思うと…やっぱり俺が守ってやらなきゃなって思います」

「ケイトとも別れる、奥さんとも別れる、で子供抱えるって…」

「まぁもう世界を飛び回るって訳にはいかなくなりましたけど…自分に出来る範囲の中で写真の仕事は続けていきたいと思ってます」

「そもそもケイトは、なんでお前を振る必要があるんだ?」

「わかりませんよ。三年ぶりにまたフラれました」

「今、ケイト呼ぶか」

「いえ、良いですよ。アレだけイキイキ仕事してるんですから…タイミング悪いんです、俺…今度も」

「お前たちは“運命の二人”だと思うけどなぁ」

「俺もそう思ったんですけどね」

「ままならないなぁ…人生は…」

岩谷の呟きは、まるで予言のようでもありました。

その記事の行方

翌朝、岩谷が出勤すると、石森副社長(大高洋夫)が待ち構えていました。

ケイトの書いた記事を社長が読み、ご立腹だ、というのです。

「ご立腹になることは無いと思いますが。社会的意義のあるスクープです」

「乃十阿出所のときのグラビアでトラウマになってるんだ。状況証拠だけでこんな記事を書いて、遺族が反発したらどうするんだ、とビビっていらっしゃる。そのうえ、これ書いたのは奴の娘だ。乃十阿の無実を証明して身内をかばったと思われかねない」

「見解の相違です。社会的意義もあります。三年前のグラビアの汚名も晴らせます」

食い下がった岩谷でしたが。

社長の業務命令は絶対でした。

ケイトは反発しましたが。

強行突破したとしても、岩谷とケイトは編集部にはいられなくなる、と言われ、ケイトらはその記事をボツにすることを受け入れざるを得ませんでした。

「人生欠けて挑んでいたので…ショックです」

「諦めよう。そして、過ぎたことは忘れよう」

その穴埋めをすべく一斉に動き出す編集部の面々。

そしてまた次の号が発行されたのです。

「あの記事、載らなかったね」

尾高はケイトに言いました。

「なんだったんだろ…この一週間」

「思い出したくないよ」

「私たち、戻る?」

「は?」

「子供、一緒に育てようか」

「そういうケイト、好きじゃないねぇ…ほんっと、タイミング悪いよね、俺たち。そんな気分じゃないよ、今の俺」

ケイトは「“キアヌ”に会ってくる」と言い残して編集部を出ました。

行き先は、海辺の自転車屋です。

ケイトに気づくと、乃十阿は柔らかな物腰で立ち上がりました。

「今日出る予定だった記事なんですけど。あなたには読んでいただきたいと思って…」

ケイトが差し出した記事を、彼はその場で、広げて読み始めたのです。

(最後まで乃十阿は、真壁ケイトを娘だと認めなかった。本妻の息子の罪をかぶり、学者としての将来も人生も捨てて、息子を守り、その後、乃十阿はケイトがどんなに聞いても、ケイトを自分の子だと認めなかった。それは、ケイトを殺人犯の子供にしたくなかったからだろう。認めないということで、乃十阿はケイトを守ったともいえる。この世には知らなくていいコトもある。乃十阿はそう考えているに違いない。)

その記事を持っていて欲しい、と言うケイトに、しかし、乃十阿は戻してよこしました。

「そうですよね…」

受け取ったそのゲラを封筒に収め、ケイトは焚火にくべたのです。

燃えて灰になる紙を、暫しの間、二人はじっと見つめていました。

三年後の春

予言のとおり。
春樹は文壇に華々しくデビューし、小説「闇落ちする亀」は芥川賞を取るに至りました。

イキった風情でインタビューを受けている彼を、編集部の面々は生温かい視線で見つめていたのです。

30万部売れて、ドラマ化も決定するという大出世ですが、彼の過去を知る者は「きもっ!」と一刀両断です。

その頃、ケイトは“デスク”になり、相変わらずの福西(渕野右登)を叱り飛ばす日々です。

黒川は編集長に、そして岩谷は局長に、と順当に上り詰めていはいましたが。

ケイトは変わらず自分の脚で取材に出ていたのです。

街に出ると、春の風が吹く中でケイトは尾高が子供の手を引いて歩く姿を見ました。

あの日手放した恋は、違う形で実を結んでいるようで。

ケイトはふっと微笑み、踵を返して歩き始めたのです。



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【知らなくていいコト】10話の感想

ハラハラし続けた三ヶ月は、綺麗に着地点を見つけてほぼすべてを回収して終わりました。

まさか尾高がシングルファーザーになるとは。

そして春樹が芥川賞受賞作家になるとは?!

ドヤ顔でダメージ加工ジーンズに“闇落ち”Tシャツという痛いファッションセンスを披露しちゃう辺り、厨二病臭くてむしろ好きですよ、重岡大毅くん。

そのままどんどん地べたを這いずり回って良いものを書いてください、と思ってしまうユニークな変貌を見せました。

そして、子供を抱きしめて苦悩する尾高は、ある意味どんどん高みへと昇っていく感じでしたね。

元・奥さんも思い切ったことをしたな、と思いましたが。

彼女は彼女なりに尾高を愛していた筈で…さすがに再構築はできなかったのだということでしょう。

本当に、タイミングがすべて悪すぎた…。

2020年春ではそんなままならなさでいっぱいの彼らの人生ですが。

三年の時が流れ、皆がそれぞれ在るべきところに落ち着いたころ。

ケイトはますます美しくなり、そして自分の人生を邁進していました。

現実の2020年春は厳しいことばかりの日本ですが。

2023年には、ケイトが微笑むように私たちも笑っていたいな、と。

ふとそんなことを想うラストシーンでしたね。

ああ、面白かった。
そして…子供たちに、幸アレ、と。

そう願わずにはいられない最終回でした。



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【知らなくていいコト】10話の視聴者の声


↑ 尾高ロス。


↑ ホントに、まさかああいうラストになるとは思わなかった…。


↑ 痛さ倍増した作家・野中の表情とか。編集部に現れてさっくり退職を受け入れられて「あれ?」な表情とか。最高です。


↑ 不倫の一瞬がその後のすべてをぶち壊す___ことの対極?


↑ 彼女にとっては、乃十阿がキアヌだったんでしょう。


↑ あのドヤ顔は、きっとケイトに向けられたものだったんだと思うんだ。


↑ 恋愛と結婚の成就だけが男女の幸せの形とは限らない、的なことを言いたかったのかなぁ、と。


↑ 将来、それとはしらずに春樹がサトシにインタビューしたり、と妄想してしまった…。


↑ はげどう。編集部のみんな、大好きだ。

まとめ

ちゃんと顔を出すとは思わなかった乃十阿の家族たち。

ことに息子のサトシは意外な人物が演じていました。

橋本淳さん。

彼は、少し前のNHK「これは経費で落ちません!」で春樹の重岡大毅さんと共演しています。

ちょっと癖のあるキャラでしたが、今回は屈託のない笑顔がケイトの心に棘を残す…そんな立ち位置でした。

意図せず事件を起こしてしまった彼を守るためにすべてを投げうった乃十阿徹。

妻と、恋人、それぞれの子供たちを彼なりに思ってのことでしょうが。

不倫の代償は巡り巡って30年後にこんな騒動を引き起こすに至ったのです。

さて、そんなドイツロケ(?)。

そしてサトシのコンサートシーンは、実は都内で撮影されていました。

プリンセスガルテンという場所です。

見覚えある方もいらっしゃるかもしれません。

杏南さんの恋の代償はあまりにも大きく、沢山の人の運命を捻じ曲げてしまいました。

ケイトに責任はないことですが。

それでも、負った傷の痛みは、彼女の原動力となっています。

“文春砲”が良い仕事をしている昨今ですが。

この週刊イーストの有能な面々にはきっとモデルがいるんだろうな(恐らくは文春の編集部辺りに…)と思わせてくれる密度の濃さでした。

そういう群像劇的な意味合いでも、良いものを見せてもらったな、と思っています。

吉高由里子さんの主演作の中でも出色の出来ではないでしょうか。

そして大石静さん、さすがの貫禄…素晴らしかったです。